両槻会(ふたつきかい)は、飛鳥が好きならどなたでも参加出来る隔月の定例会です。 手作りの講演会・勉強会・ウォーキングなどの企画満載です。参加者募集中♪




両槻会4周年・飛鳥遊訪マガジン100号記念特別寄稿


奈良県立橿原考古学研究所附属博物館 
  特別陳列「埴輪のはじまり─大和の特殊器台とその背景─」
のご案内


橿原考古学研究所附属博物館 主任学芸員 山田隆文先生
(11.3.4発行 Vol.102に掲載)


 現在、当博物館では特別陳列を開催しています。テーマは、「埴輪のルーツ」と「埴輪のはじまり」。吉備地域で出現した特殊器台や特殊壺を、初期ヤマト王権がその墓制に採用し、やがて埴輪へと変容していく過程に迫った展示となっています。それぞれの年代観や変遷過程には諸説があり、この展覧会もそのひとつの視点を提案したものです。
 吉備地方で出土した特殊器台をはじめ、畿内の出土例や奈良県内で出土した特殊器台のほか、普段は滅多にお目にかかれない宮内庁書陵部が所蔵する陵墓指定地から出土した資料も多数展示しており、たいへん貴重な機会だと思っています。

 わたしは、この時代について全然詳しくないのですが、見所をひとつ紹介するとすれば、いわゆる円筒埴輪というものが成立するまでに、工人たちがさまざまな試行錯誤をしていた様子がわかるというとこでしょうか。天理市の東殿塚古墳には、「えっ、これが埴輪?」と思わず言ってしまいそうな、さまざまな大きさ、形、透孔の珍品がいっぱい。ぜひ、ご覧いただき、工人たちの苦心を感じていただきたいと思います。お待ちしてます。


 特別陳列「埴輪のはじまり-大和の特殊器台とその背景-」

   会 期: 2011年3月21日(月・祝)まで
   時 間: 9:00~17:00(入館は16:30まで)
   休館日: 月曜日 ※3月21日(月・祝)は開館
   会 場: 奈良県立橿原考古学研究所附属博物館 特別展示室
   入館料: 大人400円、高・大学生300円、小・中学生200円
   主 催: 奈良県立橿原考古学研究所附属博物館

(特別陳列「埴輪のはじまり-大和の特殊器台とその背景-」は、終了しています。)












御礼!!来館者2万人突破『大唐皇帝陵展』

橿原考古学研究所附属博物館 主任学芸員 山田隆文先生
(10.6.11発行 Vol.82に掲載)


 おかげさまで、いつもの倍ちかくの方々に大唐帝国の皇帝陵の世界に触れていただきました。でも、まだ見ていないという方!!是非、古代東アジアの頂点に君臨した大唐帝国皇帝の壮大な、そして華麗な世界を覗きにご来館ください。

 今回の展覧会のすごいトコロ
【その1】 展示品すべてが発掘調査での出土品であるということがスゴイ!
 すべてがどこから出土したのかということだけでなく、そのほとんどが何年に亡くなった誰の墓かが特定できています。これまでの中国文物精華展では出土地が不明な収集品が多い印象がありますが、考古学研究所だけにこだわってます。

【その2】 装飾の細かさがスゴイ!
 唐初代皇帝高祖の玄孫である女性の未盗掘の墓から出土した銀背八角鏡や三足銀壺の精緻な文様は言葉を失うほどです。たった6センチの大きさですが、そこに打ち出された文様は実に華麗です。『大遣唐使展』には東大寺金堂鎮壇具である銀製鍍金狩猟文小壺が出陳されていますが、こちらもすばらしいものですが、単純に比較すると作者の技の力量の差は歴然です。

【その3】 唐代の壁画の実物が見られる!
 今回の展示では唐代の陵墓に描かれた壁画の実物も2点展示しています。壁画の剥ぎ取りや保存、公開に関しては日本よりも一日の長がある中国。高松塚古墳やキトラ古墳の今後について皆さんにも考えていただくきっかけになるのではないでしょうか?絵そのものもみごとですよ!

と、自ら持ち上げまくりの宣伝となりましたが、会期もあと10日となりました。是非、是非みなさま、奈良県立橿原考古学研究所附属博物館へお越しください。

 平城遷都1300年祭記念 春季特別展『大唐皇帝陵展』
                   (開催期間:2010年4月24日~6月20日)







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