両槻会(ふたつきかい)は、飛鳥が好きならどなたでも参加出来る隔月の定例会です。 手作りの講演会・勉強会・ウォーキングなどの企画満載です。参加者募集中♪


両槻会第20回定例会レポート


新緑の高取城址


―日本一の山城から奥飛鳥への道―

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2010年 5月 8日  
 
(4月3日下見時撮影)

 両槻会第20回定例会「新緑の高取城址 - 日本一の山城から奥飛鳥への道 -」は、5月8日に設定したものの、GW明けという日程がどうでるか・・一抹の不安のあった事務局の心配をよそに、早くから多数のお申込を頂いて、両槻会始まって以来初めて申し込み期限より前に定員に達し、受付を締め切るという嬉しい悲鳴。ですが、日程が近づくにつれ天気予報が良くなってきたのですが、前日に思わぬ雨!まさに無情の雨という感じにしとしとと約1日降り続きました。(T_T) それでも、当日は朝から晴れ♪ほっ。1個目の不安材料は見事にクリア♪

 次は2個目の不安材料であるバス。今回は、集合の近鉄壺阪山駅からの乗車になるんですが、下見時に確認した壺阪山駅発のバスは、どう見ても定員が40名ほどの小型バス。^^; 両槻会で約30名。絶好の観光シーズン、一般の方が沢山来られたら到底乗れません。(>_<) と言うことで、奈良交通さんにご相談し、積み残しが出ないようにとの増車をいただけました。ありがとうございました。奈良交通さん。m(__)m
 当日は、案の定と言うか、想定以上の方々がバスの時刻に合わせたように電車からわらわらと下りてこられます。ぎえ!(>_<) お陰様で両槻会の参加者の方は、早くからきちんと列をなして順番に並んでくださっていましたので、両槻会は無事全員乗車 (かなりの積み残しが出た模様)。「増便してもらえて良かったねぇ〜」と、その後も参加者の方々からお褒めのお言葉を頂きました。これで、バスの段取りに奔走した事務局長も報いられたことでしょう。(^^)

 さて、参加者を乗せ、両槻会特別号(笑)は、無事壷阪寺前バス停に到着♪ 下見時の桜から新緑にすっかり衣替えが済み、道沿いには、躑躅や山吹、山藤に桐に真紅の石楠花などが満開♪吹き抜ける初夏の風の心地よさのなかを和気藹々と進みます。

 「五百羅漢」と書かれ石柱を左に折れ、ここから本格的なハイキング!という感じの道。右の山肌には、頭に髷(?)を乗せたような石仏(?)や梵字の書かれた石柱なんかも立っています。五百羅漢までは、200mほどですので、坂道に文句も言う暇もなくすぐ。(笑)五百羅漢前では最初の小休止。羅漢さんは、この場所だけではなく香高山というこの山の山肌の随所に見られるということで、左側にも少し回りこみ見学。
 ここで落ち葉に隠れるようにして咲いているギンリョウソウを参加者の方が発見♪レースのように花弁に俯き加減にさくギンリョウソウは、思っていたよりも可憐でした。


五百羅漢

 ここから、少し急坂が続きますので、皆で一列にお行儀良く進みます。季節が良いせいか、この五百羅漢では、2、3のグループと遭遇しました、「こんにちは」「すいません」「お先です」と、お互いに道や場所を譲りながらの見学&ウォーキングになります。両槻会のウォーキングで、こんなに人とすれ違うことって始めてかも?と。高取城へのこのルートは、有名なんですね。(^^ゞ
 ここから少しだけ急な山道になります。ふぅふぅ言いながら、よいっしょっと自分の体を持ち上げつつ(笑)、足元を確認しながら進みます。


 その後、「史跡高取城址」の石碑の立つ岐路を左の山道に進み、足の裏に心地よいふかふかの山道や時々急峻な坂道を無事クリアし、下見時には通行止めになっていた道も無事補修が済んだようで、予定通りにこちらを進みます。ふぅふぅ・・わいわい・・足元の草花に目を止めては、花の名を教えあったり、遅れて来られる方を待ったりと、参加者全員で作り上げる定例会を地で行くようなウォーキングになりました。

 そうこう言ってる間に登りきった坂道の目の前には、ドン!と大きな石垣が。で、ここはどこ?(@@)壺阪口門だそうで、まだ本丸じゃないそうです。^^;ここから少し鬱蒼とした杉木立の中を進みます。夜には魑魅魍魎がわんさか出てきそうな不気味な趣ですが、昼日中沢山でワイワイ歩けば、さすがにそんな輩も出てはきません(笑)。
 両側に石垣を見つつ、大手門に到着。ここからは、石垣に出合っては曲がる出合っては曲がる・・(笑)。 往時は、この石垣の上に真っ白に漆喰で仕上げられた建物が建っていたんだとすると、この迷路のような道はもっと薄暗かったんだろうか・・なんて、思うのが精一杯。(^^ゞ 

下見時撮影

 要所要所で城郭図を開いて場所確認をされているsachiさん(今回咲読や資料作成のお手伝いをして頂きました。ありがとうございました。m(__)m)に「今どこですか?」と、スタッフにあるまじき発言をして、教えて頂きました。「ここをこう曲がって・・ここに出て・・」とその度に親切に城内をどう歩いてきたか教えて頂きました。(^^ゞ下見してたのはどっちやねん!って話ですね。すいません。(^_^;)





 本丸に上がってからは、皆でお決まりの展望で方角確認です。石垣の端に立って「あっちが多武峰」「こっちが吉野」なんて、山並みを指差し確認しつつあれこれ談笑。


(下見時撮影)

 本丸では昼食休憩を挟んで、井戸跡や天守の穴蔵を見学後、希望者は七つ井戸見学のために長い階段を下りていきます。上に残った数名と見学に降りた皆さんで「お〜〜い」と手を振り合うまるで小学生のような光景に、遠くから響いて来るキツツキの木を打つ「コンコンコンコン♪」の音が一層和ませてくれました。

 昼食後は、一路飛鳥へ向けて歩を進めます。が、この高取城内を抜けるまでには、まだまだ時間が掛かります。
 途中の国見櫓からは、金剛・葛城の山並みに貝吹山。畝傍山・耳成山・香具山の大和三山や甘樫丘も見えます。


 河内の畠山氏と大和の越智氏は、山を挟んで協力体制にあったそうで、味方の援軍や敵の進軍の具合が手に取るようにわかるこの立地は凄い!と、中世や地理に詳しい方々は盛り上がっておられましたが、如何せんこの私には理解が及びません。^^;


 国見櫓を後にし、二の門跡では堀切の跡も見学し、ようやく、結界石説もある猿石に到着。飛鳥の猿石のお仲間か?をあちらからこちらから皆で見学した後、右の道をとって岡口門というところを目指します。延々と下りが続く山道です。こんなところまで来てもまだ先に門がある高取城。本当に一山丸々お城だったというのが、この先にも残る崩れかけた石垣からも充分伺えました。


 細い山道を一列になって進むと栢森の女綱への分岐する道に2度出くわします。一つ目の分岐は、昨日の雨がもっとひどかったら、予定変更で下ることになっていた道です。幸い当日朝からの好天で、予定通り大根田へのルートを進めます。延々と続くかに思える山坂道。最後の難関は、参加者の方から「リュージュができるんやないか?」との声も上がった急な下り坂です。岩肌の上の砂のせいで、置いた足がずずっとすべります。「転ぶときは、おひとりで!」と、下る前に言われた注意事項も頷けます。^^; 間隔をあけつつゆっくり下っていきます。

 全員が降りきったところで思わず「ご苦労様」。ここまで来れば後はもういつもの飛鳥路と変わらぬ道です。
 大根田の三連池の堤で、暫しの休憩。池のほとりにはこれまた山藤が見事に咲いていました。

 「大根田」「阿部山」などと書かれたバス停の木製看板を横目に進み、せっかくだからと丘を越えてキトラ古墳の前にでます。今は修復作業用の保護施設が見られるだけで、墳丘すら確かめられないキトラ古墳。ガラスケースに張り出された修復の様子などを前に簡単な説明と次回7月に開催する「キトラ古墳の壁画について(仮題)」のご案内など。

 檜前の尾根では以前検出された渡来系の住居跡かの遺構の簡単な説明などがあり、そのまま尾根に沿って檜隈寺跡へ。説明を受けつつ皆で伽藍跡を見学しました。


 ここで当日のアンケートにご記入いただき、本日早めの〆のご挨拶。壺阪寺前から歩くこと約5時間。皆さんお疲れ様でした。m(__)m

 それぞれに会話を楽しみながら残り10分ほどの道のりを飛鳥駅まで歩き、お疲れ様・ご苦労様の挨拶を交わして、本日の行程は無事終了♪
 幸いに怪我人や途中リタイアもなく無事全員完歩することが出来ました。

 今回、終始暖かい雰囲気でウォーキングが進めることができたのも、会の趣旨を理解し惜しまずにご協力・ご支援をしてくださる当日スタッフや参加者の皆さんが居てくださるからこそだと思います。参加して下さった皆さんに心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。m(__)m
 また、、企画から咲読執筆や資料作成などにご協力くださいましたsachiさん、ありがとうございました。
 第20回定例会は、到底スタッフだけでは、企画から当日運営までを行うことは不可能でした。微力なスタッフに、沢山のお力添えをいただけましたこと感謝したします。ありがとうございました。m(__)m

                                     レポート担当 もも

資料編へつづく

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