両槻会(ふたつきかい)は、飛鳥が好きならどなたでも参加出来る隔月の定例会です。 手作りの講演会・勉強会・ウォーキングなどの企画満載です。参加者募集中♪


両槻会第19回定例会レポート


竜在峠から入谷へ


―大丹穂山の桙削寺を訪ねる―

この色の文字はリンクしています。
2010年 3月 13日  
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 今回の定例会は、両槻会の4年目のスタートになります。
 各定例会の準備をする間には、色々な試行錯誤の繰り返しがありましたが、参加の方や講師の先生方にお会い出来ました事、また、来て良かったと言って頂ける喜びを得る事で続けてこられたと思います。そして、主催講演会に場所をお借りしている飛鳥資料館をはじめご協力頂いている皆様、本当にありがとうございます。これからも、どうぞ両槻会をかわいがってやって下さいませ。

 今回は「竜在峠から入谷へ」―大丹穂山の桙削寺を訪ねる― と題して、明日香村の奥のおく〜を歩き続けるという、健脚向きのウォーキングの定例会です。そんなコースの為、訪れた事がある方も少ないのではないかと思います。行ってみたいけど無理だよなぁ〜と、私のように思われていた方も多いのではないでしょうか。総勢29名で歩きますと、何とか歩けるやないの〜と思われたかもしれないですね。



明日香村入谷の集落

 10:30桜井駅南口に早くから集まって頂き、スムーズに受付を終えることが出来ました。9名の初参加の方をお迎えして、バスで談山神社バス停へ向かいました。
 ここでトイレを利用しておかないと、3時半到着予定の加夜奈留美命神社までありません。簡単な出発のご挨拶をした後、(多武峰寺)西門跡まで向かいました。小雨の為展望はききません。去年の第13回定例会の「天空の里を訪ねる」や、第4回定例会の「飛鳥展望散歩」では、遥かに金剛山や葛城山が望めました。

 西門跡で各自ウォーミングアップや装備を整えた後、冬野へのいきなりの登り道を行きます。冬野水源で少し休んだ後再び登って行きます。



冬野集落北口 (最後の急坂を登る)


冬野波多神社近くにある石仏
 今ではとっても静かになった冬野集落ですが、吉野へ抜ける地であった為、往時には旅籠や茶店が軒を連ねたそうです。
 かわいいお地蔵さまを皆さんパチリと撮影です。

 この平らになっている地には中世の冬野城があったと思われ、登ってきた道の東側の尾根も城域だとされるようです。吉野への重要な地である為、激しい戦闘が繰り広げられ…と事務局長の説明を聞きます。ここでお昼休憩を取りました。

 良助親王墓で簡単な説明の後、いよいよ次は竜在峠を目指します。去年は黄色い杉花粉が飛ぶ中の訪れでした。



良助法親王冬野墓

 冬野良助法親王墓については定例会資料をご覧ください。

 後は下るだけと言いながら結構登りがあるやないのっと思いながら行きますと、途中ちょっと木々で見え難いのですが、東方に音羽山系の山々が見える場所がありました。どれだどれだとシャッターを押しました。



音羽山系の山々

 暫く行きますと、かつての峠の茶屋をイメージした小屋が、細峠や鹿路の分岐点に建っています。そこで小休止をした後、再び進んで行くと道が崩れている所がありました。崖の近くの方を歩くのは危ないようです。どんどん行きますと分かれ道に道標が見えてきました。左は吉野町滝畑へ、右に行くと明日香村入谷です。ここが竜在峠ですが、木々に囲まれている上、右の入谷への道が登って続いているので峠という感じには思えませんでした。
 竜在峠の詳細は資料をご覧ください。



竜在峠 下見時撮影
(左・吉野町滝畑へ : 右・明日香村入谷へ)

 入谷へ向かう途中、右方に先程休憩をした冬野の鉄塔が木々の間から見える場所がありました。いよいよ下りばかりの道になって行きますが、大きな古木の根元にお地蔵さまがお祀りされている場所があり、皆さんここでパチリ。

 この後は、足を置く場所を注意して選ばないといけない下りが続きました。
 だい〜ぶと下って、やっと歩きやすくなった道を暫く行くと、いきなり鳥居が目の前に現れびっくりしますが、そこが本日の目的地の大仁保神社です。蘇我蝦夷が長直(ながのあたい)に造らせたという桙削寺(ほこぬきのてら)の候補地の一つです。

 短い石段を登りますが、今の私達にはかなりキツイ階段でした。ここからの眺望は抜群なので、ぜひ皆さんにも見て頂きたかったのですが、ここに来て雨が一層降り出してしまい、ちょっと残念に思いました。暫くして小雨になった時、かすかに二上山が見えましたが…



大仁保神社 下見時撮影



2010年1月23日 下見時撮影
 桙削寺については資料をご覧ください。

 神社は高所にある為、急な坂道を下りますが、道は舗装されているので景色を見ながら歩けます。途中、下方遥かに栢森の集落が見えました。
 ピンクや白や黄色の花々を楽しみながらどんどん下って行きますと、女淵の道標が見えて来ました。
 第8回の定例会「新緑の奥飛鳥探訪」でも訪れた女淵に向かう川沿いは、お天気の為か少し薄暗くなっていました。はまったらさぞかし冷たいだろうなぁと思われるので、濡れている石から滑らないようナゴトの滝に向かいました。竜が住むという伝承があるこの淵は、雨乞いをする場所でもあったそうです。(女淵については資料をご覧ください。)



女淵

 加夜奈留美命神社も以前に訪れています。さっそくトイレをお借りしまして一安心です。まだ新しく掛け替えられて間がない女綱を左に見ながら進み、(加夜奈留美命神社女綱については資料をご覧ください。) 飛鳥川上坐宇須多岐比売命神社の前を過ぎた所で川の方へ降りて、神社の事や稲淵の棚田の水源はその上の所から取られているんですよ、などと説明を受けました。 
 右手に南淵請安墓を望みながら進みますと、これまた新しい男綱が張られてあります。男綱を潜り歩いて行きますと、正面に、目の覚めるような黄色の菜の花の棚田が広がっていました。なんて美しいんでしょう!
 飛鳥川上坐宇須多岐比売命神社南淵請安墓男綱については第8回定例会資料をご覧ください。



稲渕の棚田風景

 雨はすっかり上がり、石舞台には皆さんのご協力のお陰で予定時刻に到着しました。
 定例会当日は、近い時間帯で集合する桜井市のウォーキングイベントがあり、大勢の方が集まると分かっていましたので、お間違いにならないように文化祭で活躍した、ももさんのママ(+ももさん)制作の旗を用意し、誘導看板を増やし、当日スタッフさんは勿論、常連の参加の方々にもご協力頂きました。ありがとうございました。お陰様で、両槻会の参加の方が間違ってバスに乗ってしまわないか、降りる停留所を間違わないかという心配も杞憂に終わり、事務局員一同ほっとしておりました。
 また、今回は道程の殆どが山中の為、当日は勿論前日の雨の場合も考え、「前日降雨・当日少雨の場合」と「当日の降雨が激しい場合」の3通りのコースを用意していました。途中小雨にも遭いながら本予定通りのコースで歩く事が出来ましたが、個人的にはこの雨バージョンのコースも楽しみにしておりました。またの機会に皆さんと歩けたらいいなぁと思っています。皆さんお疲れさまでした〜。

                  レポー作成・写真撮影 : 両槻会事務局 若葉 /一部:風人


 御礼
 今回の定例会雨天用予定に関しては、橿原考古学研究所付属博物館主任学芸員 大西貴夫先生・山田隆文先生のご協力を得て、特別陳列「平城京発掘 −ここまでわかった奈良の都−」を解説していただくことに、また、小雨のウォーキングでは、桜井市観光ボランティアガイドさんにご協力をいただくことになっておりました。雨天用というあやふやな予定にもかかわらず、快く引き受けてくださいました先生方、ガイドさんに篤く御礼を申し上げます。

 行事予定がかち合ってしまったことで、何度も打ち合わせをしてスムーズな運営にご協力くださいました桜井市観光課の皆様、ご対応に感謝します。ありがとうございました。

 また、天候が悪化した場合の予定として、会場を確保してくださっていた明日香村岡のギャラリー&ショップ「輪 rin」さんに心よりの感謝を申し上げます。

 両槻会は、皆様のご協力の上に成り立っております。これからもご支援くださいますようにお願い申し上げます。最後になりましたが、この場を借りてご挨拶させていただきました。
                                        両槻会事務局一同


ルートマップ タイムテーブル 雨天用タイムテーブル 冬野 冬野城 良助法親王冬野墓
竜在峠 桙削寺 女淵 加夜奈留美命神社 女綱 資料集

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