両槻会(ふたつきかい)は、飛鳥が好きならどなたでも参加出来る隔月の定例会です。 手作りの講演会・勉強会・ウォーキングなどの企画満載です。参加者募集中♪


両槻会第13回定例会

天空の里を訪ねる


両槻会第13回定例会レポート編
2009年 3月 7日

この色の文字は、リンクしています。

藤本山頂上付近から見た尾曽の集落

 3月7日 10時30分集合 桜井駅南広場バス停前に早いうちから多くの方々が集まって下さいました。
 実は『天空の里を訪ねる』は、去年の第11回定例会のウォーキングイベントだったのですが、本降りの雨の為、あらかじめ用意していた「やや強雨」の予定コースへ変更となり、今回はそのリベンジの第14回なのでした。行きたくても、なかなか行けないコースという事もあり、前回、楽しみにしていたのに〜残念!と思われた方も多かったと思います。今回歩いてみて、下りの山道が長かったり崩れている所もあったりで、あの時のコース変更は正解だったなぁと思ったのは、私だけではなかったのじゃないでしょうか。

 今回は前日の雨もすっかり回復し、朝から絶好のウォーキング日和となりました。この時期花粉症の私達は、マスクを装備しリュックは勿論ポケットというポケットにティッシュを入れ準備万端で臨んだのでした。中にはティッシュの箱を抱えての参加という事務局員もおりました。(笑)
 談山神社行きのバスの中は太陽の日差しが暑い程で、久しぶりにお会いした方々や、初めてお会いした方とのお話などで賑やかにスタートしました♪

 談山神社の駐車場で簡単なご挨拶の後、まず前回も訪れました藤原不比等の十三重の石塔へ向います。
 事務局長の説明の後、アドバイザリースタッフのアジクさんにも説明を乞いますと、石塔に付いてお話下さいました。

 この石塔は、1298年鎌倉時代の後半に石工の「井行元」が造ったそうです。この井(伊)氏というのは、僧の重源が東大寺を再興する時に宋から連れ帰り、その石工の流れをくむ者の集団が伊派工人と呼ばれ、現在目にする五輪塔などを形造った人達なのだそうです。宇治の中島にある十三重の石塔や、般若寺の十三重の石塔、室生口の大野寺磨崖仏など結構足跡を残しているようです。なぜ解るかというとこの井さん、いちいち自分が造ったと名前を書き残しているそうです。(一同笑)

 前回賑やかだった土産物店がお休みで、正面の受付も冬の間は閉められているという事でしたので、今回は西の受付からの入山となりました。参拝者は私達以外は少なく、受付が減るのも仕方なさそうです。50分の自由拝観の間に御破裂山まで行かれた方がいらっしゃったと聞いて、私も行けばよかった〜と悔しがったのでした。。。
 この談山神社は春と秋の蹴鞠祭が有名ですが、1人2,000円で5人いれば蹴鞠を貸して頂けるそうですので、サッカーをされている方や興味のある方は、参詣時に挑戦してみてはいかがでしょうか?入口受付又は社務所で受け付けてくれるそうです。
(談山神社の詳しい説明は定例会資料をご覧下さい以下資料と略します)

 西門跡の思い思いの場所で昼食タイムです♪ ここは西に開けていて金剛・葛城の山並みが見え、とても見晴らしの良い場所です。第4回定例会『飛鳥展望散歩』の時もここからこの風景を眺めました。昼食タイムもあっという間に終わり、冬野へ向っていよいよウォーキングのスタートです!

談山神社西門付近からの眺望

 冬野越として、明治末期まで多武峰から吉野へ向う最短コースとして利用され、人の往還が絶えなかったそうです。途中「冬野の名水」で小休止後、再び花粉の舞う山道を登ります。
 昔は賑わったという冬野の集落の一番高い所に波多神社はあります。珍しいお顔のお地蔵様がいらっしゃるというので皆さん一斉に写真撮影♪

冬野集落 波多神社境内の石仏

 事務局長からこの辺りの薬に関係するお話や、中世には冬野城があり、江戸時代には本居宣長もここを旅した等々の説明を受けます。すぐ横に電波塔があって、飛鳥からも見えると言う事なので今度下から波多神社の場所を探してみたいと思います。
(右写真は、橘寺付近から)

(波多神社の詳しい説明は資料をご覧下さい)

 近くの良助法親王冬野墓を見学の後(良助法親王冬野墓の詳しい説明は資料をご覧下さい)、舗装道路を下って行きます。道沿いに咲く紅白の梅の花の艶やかさがウォーキングを一層楽しいものにしてくれます♪
前にいたというヤギはおりませんでしたが、牛舎の牛を左に見ながら行きますと、眺めの良い上畑・尾曽(おおそ)古道の分岐点に着きます。
 高取城のあるのはあの山で・・と事務局長が指で示して皆に説明してくれます。高取城の本丸跡からもこの辺りが見えるそうです。


           上畑の白梅

遠望高取山

 小休止後、いよいよ尾曽への古道を下って行きます。人が1人しか通れない山道は、崩れている所有り昨日の雨でまだ湿っている所も有りで、急な場所も多く、前を下る方を蹴り落とさないようひたすら足元に目をやり慎重に下りて行くのでした。先頭から、そして途中を歩く方々が順送りに注意を促してくれます。 ありがたい事です。

尾曽への古道

 気が抜けない20分程の後、急に視界が広がり、着いたのが本日の目的地「天空の里」にある威徳院さんでした。

 お庭に、いくつか樽の形のような建物の中に仏様をお祀りされているのが見えます。山門を潜りますと蝋梅もまだ咲いていて、良い香りがしていたそうです。(私はマスクマンの為分かりません。。。) 百日紅の大木もあり、また違う木には見たことのない黄色い花も咲いていました。何だろうと言っていますと、「しきみ」の花だと答えが返ってきます。葉はよく目にしますが花は初めて見ました。事務局員の中には植物にとても詳しい人がいるので、こういう時便利..いえ、とても助かります。
 トイレをお借りした後(威徳院さんにはあらかじめトイレ休憩をお願いしていました)、裏にある四国八十八箇所のお砂踏み道場の方へ回ってみますと、今までの坂道山道の難儀を忘れる程の絶景が待っていました。あ〜気持ちいい!!飛鳥が一望でき、畝傍山がぽっかり浮かんでいました。霞がかかっていましたが、遠く大阪の方も見えました。こんなに見晴らしが良いのは、さすがに「天空の里」であるからなのでしょうね。

威徳院お砂場からの眺望
威徳院の詳しい説明は資料をご覧下さい)

 威徳院さんを後にして下って行きますと、先ほどの絶景が左手に広がります。ちょうど大きな2本の紅梅も満開で、まさに撮影ポイントです。

天空の里 尾曽の紅梅

 天空の尾曽の村にお別れし、なだらかに下って次の目的地、上(かむら)の気都倭既(きつわき・けつわき)神社を目指します。

 気都倭既神社の在る辺りは、乙巳の変で切られた入鹿の首に追いかけられた鎌足が、この森まで逃げて来て「もうこんだろう」と安心した事から茂古森(もうこのもり)と呼ばれるようになったとかで、何と!神社内には鎌足が腰を掛けたという石もありました。その昔はきっと、苔むしてツタが絡まる暗く恐ろしい所だったのでしょうね。

気都倭既神社
(気都倭既神社の詳しい説明は資料をご覧下さい)

 どんどん冬野川(古称 細川)沿いに下って行きますと、満開の梅だけでなく桜も咲いてすっかり春の様子です。川を挟む両岸の尾根上に約200基の古墳があり、細川谷古墳群といわれているそうです。
(細川谷古墳群の詳しい説明は資料をご覧下さい)
 途中、事務局長が面白いものがあるというのでついて行きますと、見晴らしの良い田んぼの端っこに、ちっちゃい石舞台古墳があるじゃあないですか!わくわく♪近づいて行くと、あれれ?後ろ側にトタン屋根がくっ付いています。土地の段差を利用して農作業小屋が作られていました。ちょっとガッカリ。。。でも 笑ってしまいました。

上(かむら)の露出した古墳石室?

 道を少し戻って本来のコースを行きます。見える古墳もあったり、見えないけれど説明を受けた打上古墳も近くにあります。
(打上古墳の詳しい説明は資料をご覧下さい)

 上居の立石を見学したらゴールの石舞台古墳はすぐそこです。
 急な下り道があったのにもかかわらず、皆さんお元気に、そして予定より早く到着しました。簡単なミーティングを最後に設けさせて頂き、解散となりました。皆さんお疲れ様でした!!
 今回のウォーキングは早春の飛鳥を、そして色々な場所から絶景を堪能する事が出来ました。こんなしんどいのはイヤだ!と、おっしゃらず・・え?大した事なかった?しんどかったのは私だけだったんでしょうか。。。 
 

 両槻会はいろんな方面から、飛鳥を知ろう!楽しもう!と工夫を凝らして企画しております。今回参加出来なかった皆さん!ぜひ次の、これからの定例会にご参加下さいね。お待ちしております。 
第13回定例会ウォーキングマップ


レポート作成 両槻会事務局 若葉
      写真撮影 両槻会事務局 河内太古風人

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