青菜に塩 |
青菜は葉や茎に水分を含んでいるときは元気だが、塩を振りかけると水分がなくなってしおれることから、人が打ちひしがれて、うなだれている状態をいう。 |
朝茶の塩 |
朝茶を飲む際に塩少々を摘むことから、ごくわずかな物のことをいう。 |
味は塩にあり |
料理の味付けは塩加減次第である。 |
小豆の塩の辛きと女の気の強きは術無し |
小豆の塩のききすぎたのと、女の気が強すぎるのはどうしようもない。
(牡丹餅の塩の過ぎたのと女の口の過ぎたのとは取り返しがつかぬ。) |
甘口さ塩 |
考え方の甘い人間には、刺激を与えた方が良い。 |
痛い上に塩を塗る |
傷口に塩を塗るとしみて痛みがひどくなることから。悪いことが起こって悩んでいるのに、さらに悪いことが起こることの例え。
傷口に塩、切り目の塩など。 |
井戸水が湧き出ぬ時は中で火を焚くか米・塩・酒を入れると良い |
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浮世の塩 |
世間は甘くないことの例え。 |
閻魔が塩を嘗めたよう |
苦虫をかみつぶしたような難しい顔を例えていう。 |
尾張大根塩でもつ |
尾張大根は水気が多く、保存には多量の塩が要る。 |
可愛子には旅をさせ、ならず者には塩踏ませ |
可愛いわが子は冷たい他人の間で修業をさせるのがよく、ならず者は辛い思いをさせて懲らしめるのがよい。 |
河童に塩を誂える |
淡水の川水の中に住んでいる河童に塩を注文するというわけで、見当違いのことをするたとえ。
「獺(かわうそ)」に塩を誂えるなど。 |
業が伸びりゃ塩が甘うなる |
腹が立つようなことが有ってもその場で怒ったりせず、ゆったりした気持ちでいれば、辛い塩が甘くなるように怒りも和らぐ。 |
塩が浸む |
世間の苦労が身にしみる。世渡りの苦労を経験する。 |
塩が水になれば雨、乾けば晴れ |
天候を予測する俗説。 |
塩で洗えばどんな汚い物でも清くなる |
塩を清めに用いる俗説。 |
塩にする |
魚や野菜を塩漬けにすること。 |
塩にて淵を埋む如し |
無謀にも塩で深い水たまりを埋めようとすることから、全く不可能なこと、また、してもしがいのないことのことのたとえ。また、次から次へと消えてしまって、溜まることがない様をいう。 |
塩量っても手嘗めよ |
人の仕事の手助けをするにしても、いくらかの報酬をとってせよ。 |
塩売っても手を嘗めろ |
塩売りが手についた塩を無駄にするのを惜しんで嘗めることから、商人が商い物を少しも無駄にしまいとすること、あるいはつまらないことにまで気を使ってけちけちすることのたとえ。 |
塩やかねややんまかえせ |
子供がトンボを捕るときに言った言葉。 |
塩を井戸へ入れると失明する |
井戸に異物を入れてはいけないという戒めの言葉。 |
塩を粗末にすると目が潰れる |
塩は大事なものであるという戒めの言葉。 |
塩をつまんで火に入れる |
さらに激しく燃え上がることから、一段と激しくすることの例え。 |
塩をつまんで水に入れる |
少しも効果のないことの例え。 |
鼠が塩を引く |
ネズミが塩を引いて行くのは少量ずつだが、度重なっていつの間にか多量になるところから、小事が積もり積もって大事になることのたとえ。また、少しずつ減っていったあげくに、すっかりなくなってしまうことの例え。 |
塩を踏む |
世間に出て辛い目にあう。 |
塩も味噌もたくさんな人 |
塩や味噌はなくてはならない大切なものであるところから、確実な人を表す言葉。 |
塩を持たぬ家は金持ちになれぬ |
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塩を夜買うな |
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痺れが切れた時は臍の上に塩を三回乗せると良い |
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西瓜に塩をつけて食べると疲労しない |
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葬式から戻ったら体に塩を振りかけて清めてから家に入る |
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手前味噌で塩が辛い |
自分がつくった味噌だと塩辛くても本人だけはおいしいと思っているということから、自慢ばかりするので聞き苦しいことのたとえ。自分の作った味噌なら、たとえ塩辛くてもおいしいと感じることから、自分のやったことなら、何でも良いと思うこと。自分の都合のいいように解釈すること。「我田引水」と同じ意味。 |
蛞蝓に塩 |
ナメクジに塩を掛けると縮むように、苦手なものの前で萎縮し精彩をなくすことを言う。 |
ほっちゃけなしは塩嘗める |
あわて者は砂糖と間違えて塩を嘗める。あわて者を窘める言葉。(青森県) |
味噌塩の世話 |
台所や日常生活の細々とした世話のこと。 |
味噌に入れた塩はよそへ行かぬ |
他人のために尽くしたことは、一時は無駄のように見えても、結局自分のためになるという例え。 |
味噌にも塩にも使われる |
なんにでも使われる。 |
めんぼのできたときは臍へ塩を込めれば落ちる |
四日市市周辺の俗習。 |
餅搗きのとき蒸籠の縁に塩を置くとよく上がる |
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夜尿垂れたら夜具背負わして塩買にやれ |
大和高田市周辺の俗習。 |
敵に塩を送る |
敵対する相手が困っている時に助けの手を差し伸べることのたとえ。戦国時代、武田信玄は、塩を輸送している道を閉ざされ、塩の欠乏に苦しんでいた。上杉謙信は、敵の信玄を攻める最大のチャンスにあえて戦をせず、逆に塩を送って助けたという。 |
塩嘗めてこい |
苦労して一人前になってこいということ。 |
あけずの塩買い |
使いに出てなかなか帰ってこないこと。 |
一番うまくて、まずいもの |
徳川家康はある日、側に仕える阿茶の局に、「この世で一番うまいものは何か?」と尋ねると、局は、「それは塩です。山海の珍味も塩の味付け次第。また、一番まずいものも塩です。どんなにうまいものでも塩味が過ぎると食べられなくなります。」と答えた。塩はさじ加減ひとつで、他のものの味を引き出す。指導者もまた、家臣の心を巧みにとらえ能力を引き出すことが肝心。家康は、局の言葉に深く感銘し、以後教訓としたという。 |
うまいまずいは塩かげん |
調味料もいろいろあるが、微妙な違いで塩ほどに味を左右させる調味料は他にない。「包丁10年、塩味10年。」と言われるように、塩の味つけをマスターするには、よほど熟練を要する。
味のきめては塩かげんであるという意味。 |
閻魔が塩辛を嘗めたよう |
苦虫を噛み潰したような難しい顔をたとえていう。
「閻魔が抹香を嘗めたよう」とも言う。 |
河童に塩頼む |
淡水にすむ河童に海水から取れる塩を頼むことから、当てにならないことをい言う。 |
しおらしい |
控え目で、慎み深く、可愛らしいこと。
封建時代、塩が手に入りにくかった百姓の女たちはたびたび、出陣する武士が持つ塩包みに目をつけて言い寄った。しかし彼女たちの態度はいかにも恥ずかしそうで、塩欲しさの素人の言い寄りとすぐに見破ることができた。
「しおらしい」とは、"この塩が欲しいんだなと察しがついていた"が転じた言葉。 |
地の塩 |
塩が食物の腐るのを防ぐことから、少数派であっても批判的精神を持って生きる人をたとえていう。 |
手塩に掛ける |
自ら世話をして慈しみ育てるのこと。自分の手で塩をふり時間をかけて漬け込む漬物や、掌いっぱいに塩をつけて握りしめるおむすびのように、昔から手に塩をつけて丹念にものを作る行為には、愛情が込められているということ。 |
米塩の資 |
米と塩は、生きていくうえで、食生活に於いて不可欠であることから、生計を立てるための費用、生活費のことをいう。 |
塩は食肴の将、酒は百薬の長 |
前漢書の『食貨志』にある言葉。塩は、他の物の味を引き出し、うま味を増すこの世で最高の食べ物。酒は、適度に飲めばどんな薬よりも効き目がある一番の薬、という意味。 |
塩梅 |
ほどあい。かげん。
宋の時代の成書に「塩多ければ鹹(かん:塩辛い)、梅多ければ酸、両者半ばすれば塩梅なり」という一節があり、この塩梅が発展して、物事の調和を表すようになった。 |