「座高85cm。左目を閉じ、頭頂に沙髺(しゃけい)をあらわす平安後期の不動明王の姿である。檜材を用いた寄木造で、現状ほぼ古色を呈しているが、当初の華麗な彩色をとどめており、条帛の背面部や裳の一部に切金文様が認められる。二重円相を透かした火炎光背と七重の瑟々座(しつしつざ)が揃う王朝様不動明王像の本格作は、奈良県下でも珍しい。」