両槻会(ふたつきかい)は、飛鳥が好きならどなたでも参加出来る隔月の定例会です。 手作りの講演会・勉強会・ウォーキングなどの企画満載です。参加者募集中♪



飛鳥時遊録


 真神原風人飛鳥三昧



「今の時」と「古の時」
二つの「時」をテーマに自由に時を翔けめぐり、
今この時と飛鳥時代を結ぶ記事に出来ればと思います。

飛鳥藤原第163次(藤原宮朝堂院)」発掘調査現地説明会
「2009年度 発掘調査速報展 -大和を掘る28-」観覧記
第21回定例会のご報告
両槻会近況
定例会の今後の予定
第22回定例会のご報告と牽牛子塚古墳現地見学会
飛鳥の彼岸花
奈良時代の匠たち― 大寺建立の考古学 ―
木簡黎明 -飛鳥に集ういにしえの文字たち-
10 元興寺禅室屋根裏探検


60号まで季節・時事記事は、こちら♪
61~69号までの時遊録は、こちら♪
70~83号までの時遊録は、こちら♪


【1】 「飛鳥藤原第163次(藤原宮朝堂院)」発掘調査現地説明会」
                                   (10.7.9.発行 Vol.84に掲載)

 飛鳥は梅雨最中です。からっと晴れた日が恋しくなりますね。けど、晴れると「蒸し暑い!」と文句を言うのですけれど。(笑)
 ところで、今年の梅雨は激しい雨が多いように思います。しとしとと降るのが梅雨だと思っていたのですが、近年は局地豪雨だのゲリラ豪雨だのと、まるでスコールのような激しい雨が降ります。7月末の梅雨仕舞いには、その傾向が一段と激しくなりますので、今から心配になりますね。どことも被害が出なければ良いのですが。温暖化でしょうか、亜熱帯化しているような不安な気持ちが湧いてきます。風人家は古い建物なので、雨対策に大工さんに入ってもらいました。ぅう~!お金が大雨のように降っています! どちらの降りがましなのでしょうか。(/_;)

 さてさて、そんなのにめげていてはいけません。7月3日に行われた「飛鳥藤原第163次(藤原宮朝堂院)」発掘調査現地説明会に行ってきた話にチェンジです。あっ!詳しい遺構の状況や、そこから何が分かるのかなどの難しいことは、特別寄稿のコーナーであい坊さんが書いてくださっています。風人は、そんな賢いことは書けませんので、現説の様子などをお伝えしようと思います。

 前日から降り続いた雨は、朝には大雨となり、昼前もまだ降り続いていました。現説は中止されるだろうなと半ば諦めかけていたのですが、念のために奈文研に問い合わせたところ、「やります!」というお返事。(^^ゞ 「足元が悪いのでしっかりご準備の上ご参加ください。」との注意もありました。日頃お世話になっているし、こんな時こそ顔出しもしとかねばと(^^ゞ、頑張って参加することにしました。あっ!もちろん、遺構にめっちゃ興味があるからですけどね。
 雨具を着て行くことにしました。ところがです!せっかくの忠告を無視して、長靴を準備しなかった風人。その後、罰が当たるのです。(>_<) 藤原宮跡はぐじゅぐじゅ!沢山の人が歩くもんだから、ほぼ田んぼ状態の所もありました。靴が泥だらけに。帰る頃には、靴下まで濡れてしまいました。ここでふと!朝庭が礫敷なのは、泥んこ対策なのかと。今回も検出されましたが、石詰めの暗渠遺構なども排水の対策でしょうから案外正解なのかとも。
 ともあれ、現説開始時には、雨が小降りになったのだけが救いでした。

 「最古の大嘗宮か?」という報道がされましたので、この悪天候の中、驚くほど多数の方々が来られていました。恐るべし中高年パワー!(笑)お家の用ならきっと出かけなかったのではと思うような、おじ様族が大半です。風人もですけど。後で知りましたけど、参加者は400名を超えていたそうです。好天ならどのくらい来られたんでしょう!凄いですね。

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 遺構では、肝心の柱穴などは半ば水没状態で見難く、後世の耕作溝は水路と化そうかという状況です。建物や塀や門の遺構を示すテープや模型の柱が無いと、何のことやら!今回の調査では、まだ礫敷の面までしか調査されておらず、大嘗宮か?と思われる柱穴などは、実は後世の耕作溝に掛かる部分で見つかっているだけでした。こういうことが報道では充分に分からないんですね。雨でしたので、その詳細を見ることは出来ませんでしたが、柱穴と思われる土の色が若干違って見える部分がありました。朝庭に敷かれたバラスは、雨に洗われてとても綺麗でしたよ。(笑)

クリックで拡大します。
遺構全体写真(繋いでいますので、少し捩れています。m(__)m)

 雨で、柱穴などはよく分からなかったのですけど、それでも、それでもです♪藤原宮の大嘗宮かもしれない遺構です。必死で妄想を膨らませて楽しみました。

  一つだけ風人の疑問。もし、大嘗宮だったら、廻立殿はどこに在ったのでしょうか?想定される北側の第153次調査区では検出されなかったはず。大嘗宮の初期の段階だから、まだ様式も確立してなくて別の場所にあったのか、無かったのかな~。などとこれまた妄想です。

 今回の現説は中間発表のようです。発掘調査はこの後も続き、9月には遺構面をもう少し下げてから再び現説も行われるとのことでした。楽しみですね♪

 当日、風人と同じく現説に参加されたよっぱさんが現場のお写真を投稿してくださいました。両槻会ブログにUPしていますので、是非ご覧下さい♪よっぱさん、有難うございました。m(__)m

 飛鳥藤原第163次 現地説明会 速報♪ (両槻会ブログ)

 さて、今号は少し変則的な構成でお届けします。と言うのは、あい坊さんの速報性のある現地説明会に関連する記事と、第21回定例会の講師:奈文研飛鳥資料館学芸室長:加藤真二先生の記事を掲載するためです。講師のご紹介を兼ねまして、加藤先生自らに定例会の内容に触れていただきました。キトラ古墳石室陶板レプリカ見学は、参加していただければ、きっと楽しいサプライズが待っている事と思います。第21回定例会は、まだ定員に達しておりませんので、どうぞ奮ってお申込ください。お待ちしています。(第21回定例会は終了しています。)

 予定していましたアジクさんの「飛高百新」は、原稿をいただいたのですが次号掲載とさせていただきました。こちらも、韓半島の最新考古学情報を含み、とても興味深い内容になっています。えっ!っと驚くような内容になっていますので、次号をお楽しみにお待ちください。m(__)m

 藤原宮朝堂院東に植えられた蓮畑です。7月中旬まで楽しめるそうです。



【2】 「2009年度 発掘調査速報展 -大和を掘る28-」観覧記
                                  (10.7.23.発行 Vol.85に掲載)

 「暑いですね!」口に出る挨拶が「よく降りますね!」から替わりました。飛鳥は、梅雨明け早々に極暑到来って感じになっています。原稿を書いている20日も、午前10時半で既に32℃まで上がりました。暑い暑い!(^^ゞ
 そんな真夏の飛鳥ですが、飛鳥資料館・橿考研付属博物館などで夏期特別展示が始まりました。炎天下の飛鳥散策は熱中症などの危険もありますので、夏休みで飛鳥を訪れられる皆さんは、涼しい展示会場を予定に組み込まれては如何でしょうか。お奨めですよ♪

 風人は、先週末、橿原考古学研究所付属博物館で行われている「2009年度 発掘調査速報展 -大和を掘る28-」を見学してきました。「大和を掘る」は、橿考研恒例の真夏のイベントで、前年度に奈良県の各地で行われた発掘調査の成果が速報展示されます。今年も39遺跡がピックアップされ、特別展示室に陳列されていました。報道でも取り上げられた遺跡や実際に現説に参加した遺跡なども多く、とても興味深い展示になっています。特に今回は、飛鳥地域の発掘成果が多く、馴染みのある遺跡が並んでいました。飛鳥関連の遺跡を紹介しましょう。

 「阿部山遺跡群・飛鳥京跡164次調査・同165次調査・飛鳥寺西方遺跡・甘樫丘東麓遺跡・檜隈寺隣接地・檜隈寺跡・檜前遺跡群1・檜前遺跡群2・藤原宮跡 飛鳥藤原第160次」、いずれも興味深い9つの遺跡10の展示が並びます。

 この展示会で楽しみの一つは、工夫された個々の遺跡のサブタイトルです。巣山古墳(どんなに困難でも、葺石を葺かなければならない!)や、小路遺跡(扉出ました。)など、発掘担当の先生方がサブタイトルを考えられるのでしょうか?真面目な方、お茶目な方、それぞれの担当者の顔が見えてくるような親しみを感じます。展示会に行かれたら、サブタイトルも見てくださいね♪

 展示された飛鳥関連の出土遺物で目を引いたのは、飛鳥寺西方遺跡の土管でした。飛鳥遊訪マガジンでも、あい坊さんの特別寄稿がありましたので、皆さんも印象深く記憶されていると思います。風人は、地中にあった時よりもずっと大きく感じました。厚みや土管内の径も分かりますし、ジョイント部分がやたら大きいのが印象的でした。やっぱ上水道とちゃうん?とか妄想たっぷりです。(笑)

 他にも脇本遺跡や桜井茶臼山古墳・秋津遺跡・観音寺地区の遺跡群・薩摩遺跡・などなど・・、見ごたえ充分な展示会です。是非皆さんも、涼みがてら?にお出かけください。(笑)

 また、「大和を掘る」には、土曜講座として発掘担当者の報告会が行われます。その中でお奨めは、8月7日に予定されています第22回定例会講師:岡田雅彦先生の「観音寺本馬遺跡」の報告です。楽しみです♪

 一方、飛鳥資料館の夏期企画展も始まっています。「小さな石器の大きな物語」と題された旧石器時代がテーマの展示です。えっ!旧石器?と思われる方もいらっしゃると思いますが、前号で加藤真二先生が書かれましたとおりです。良いのです!旧石器時代も♪(笑) あまり馴染みの無い時代なのは風人も同じですが、第21回定例会での加藤先生自らが行ってくださいますギャラリートークが尚更に楽しみになっています。展示品を見ながら専門の先生のお話が聞けるって、贅沢なことですよ♪ 第21回定例会は受付中ですので、「キトラと高松塚の壁画」以外の興味でもご参加ください。両槻会サイト(ポストアイコン)からメールでお申込ください♪ お待ちしています。(第21回定例会は終了しました。m(__)m)

 さて、本編は、前号でお待ちいただきましたアジクさんの「飛高百新」をまずお読みください。新羅に関する新しく且つ重要な報告が書かれています。



【3】 「第21回定例会のご報告」              (10.8.6.発行 Vol.86に掲載)

 8月に入りましたね。子供の頃、夏は楽しいだけの季節でしたが、もう少しも楽しくありません!(笑)いよいよ一番暑い時期がやってきました。今夏は、梅雨明け早々から猛暑でしたので、既に夏バテ気味の方もいらっしゃるようです。熱中症対策と同様に夏バテ対策も考えないといけませんね。 (環境省熱中症情報

 さて、7月31日(土)に第21回定例会を実施いたしました。体調不良やアクシデントなどによって4名の方がキャンセルされたのは残念でしたが、それでも29名の参加者を得て、楽しく充実した一日を過ごすことができました。今回講師を引き受けてくださいました飛鳥資料館学芸室長加藤真二先生が、熱心かつ丁寧に語りかけてくださったことが、一番皆さんに喜んでいただけたのではないかと思っております。

 今回は、キトラ古墳陶板復元石室を間近にしての説明やパワーポイントを見ながらの講演になりましたので、視覚的な興味も満足することが出来たのではないかと思います。
 意外と言っては失礼なのですが、飛鳥資料館の夏期企画展「小さな石器の大きな物語」のギャラリートークが、皆さんに喜んでいただけたようです。普段、接することが少ない時代ですので、皆さんの反応を心配していたのですが、それは要らぬ心配でした。加藤先生の生き生きとしたご説明に、小さな石たちも何やら大きな存在に見えてきます。石器の分布が表すものは人類の移動です。そのダイナミックな歴史ロマンを、先生は私達に充分に伝えてくださったように風人は思いました。
 実物を間近にしての説明は分かりやすくて、風人はギャラリートークが大好きです。両槻会でも、機会があればこのような企画を増やしていければと思っています。

 定例会の様子は、両槻会HPに当日レポートとしてアップいたしましたので、そちらをご覧下さい。また、事務局が当日配布いたしました関連資料集などもネットアップしていますので、どうぞご覧下さい。

 21回が終われば22回が始まります。(笑)気持ちも切り替えて、また充実した定例会を企画・実施したいと思っていますので、皆さんの参加をお待ちしています。第22回定例会のご案内は、下記「両槻会からのお知らせ」をご覧下さい。(第22回定例会は終了しています。)

 そうそう!その第22回定例会講師の岡田雅彦先生が、明日13時30分から行われる橿考研「大和を掘る28」の土曜講座に登場されます。テーマは違いますが、どんな先生か見に行きましょう♪(笑)



【4】 「両槻会近況」                     (10.8.20.発行 Vol.87に掲載)

 お盆も過ぎて、夏も終りに近づいて行きます。関西では地蔵盆という行事が8月24日に行われ、これが過ぎると夏休みも終りだな~と、大昔、宿題に焦る小学生風人がいました。(笑)しかし、近年は残暑が厳しく、まだまだ夏は続くようです。くれぐれも体調にお気をつけ下さい。

 さて、皆さんにお知らせです。橿原考古学研究所付属博物館の情報コーナーに「両槻会」ファイルを置かせていただくことになりました。定例会参加者以外には直接見ていただけない「配布資料」をファイリングしてい
こうと思っています。現在は「第22回定例会配布関連資料集」のみですが、これから少しずつ充実したファイルになればと思っています。
 情報コーナーの左側書棚の下の方にあります。見かけたら手にとってご覧下さい。
 博物館の情報コーナーは、橿考研の発掘調査報告書や紀要などを初めとして考古学資料が充実しています。一般の人でも自由に閲覧が出来ますし、申し出ればコピーサービスを受けることも可能です。ミュージアムショップやこの情報コーナーは無料ゾーンになっていますので、皆さんも考古学的な情報を得たい時には、ここをご利用になればと思います。博物館は見学するだけではなくて、利用することも考えてみると良いかもしれませんね。

 前号でお知らせしました橿考研の土曜講座「観音寺本馬遺跡」の調査報告を聴講してきました。縄文時代早期に始まる遺物の存在は、江戸時代を経て現在まで、この付近の土地利用が継続されてきたことを教えてくれました。飛鳥時代の遺物だけは発見されなかったようですが、約6000年前から連綿と続く人間の営みが、そこに展開されていたのですね。発掘を担当された岡田雅彦先生の堅実な語り口調が、遺構の理解を助けてくれました。第22回定例会でのお話が、ますます楽しみになりました。
 現場で日焼けされたお顔は、精悍で凛々しかったと一部で評判になっています。また、ファンが増えるかも知れませんね。(笑)

 今号では、その岡田先生が「第22回定例会に向けて」という記事を、書いてくださいました。岡田先生との出会いから早くも1年半が過ぎようとしていますが、その発端も書いてくださっています。スタッフの押しの強さ(強引さ・図々しさ)だけで展開している両槻会主催講演会の実態が、暴露されようとしています。(笑)
 あい坊さんのご寄稿は「飛鳥・藤原京の橋」の2回目です。特別投稿を挟みましたので前回記事(78号)をもう一度お読みいただければ分かりやすいかも知れません。



【5】 「定例会の今後の予定」 (10.9.3.発行 Vol.88に掲載)

 連日の猛暑日、うんざりされている方も多いと思います。暑い夏を耐えることで使ってきた体力や気力がそろそろ切れてきて、これから夏バテが出てきます。どうぞ、熱中症対策と共に夏バテ対策にも心掛けて下さい。

 暑さの中ですが、飛鳥では秋のイベントが動き出そうとしています。恒例の光の回廊も、今年は「ムーンライトin藤原京」と同時開催となり、一層盛り上げようと努力がなされているようです。また、各博物館などの秋季特別展の準備も、追い込みに入っておられる様子。中でも、橿考研附属博物館の特別展は「奈良時代の匠たち―大寺建立の考古学―」と題され、両槻会がお世話になっています山田隆文先生が担当されておられます。その奔走ぶりをお聞きしていますので、どのような展示になるか今からほん と~に楽しみです♪

 風人の9月・10月のスケジュールは、完全に埋まってしまいました。聞きたい講演、参加したいイベント、飛鳥応援大使としてのボランティア活動、少し過密すぎるかなと只今整理中です。(^^ゞ けど、全部行きたい!(笑)
 飛鳥遊訪マガジンでも飛鳥情報のコーナーなどで選りすぐりのイベントを紹介して行きますので、皆さんも過密スケジュールで度々飛鳥にお越しください♪(^^)

 さて、両槻会事務局の動きを若干ですがご紹介します。
 直前に控えました第22回定例会は、準備も最終段階の詰めに入っています。会から配布します事前散策用の資料や講演会関連資料も整ってきました。出来るだけ分かりやすくと、イラストや画像をふんだんに準備しています。楽しみにしてくださいね♪
 第22回定例会は、まだ少し定員に余裕があります。どうぞお申込ください♪初参加の方も居られますので、初めての方もどうぞ最初の勇気を奮ってご参加いただければと思っています。(第22回定例会は終了しました。m(__)m)

 第23回(11月13日)は、久しぶりにウォーキングになります。こちらの準備も進めており、詳細なコースの検討を行っています。「伝承・伝説の地から歴史の地へ」と題して、個人ではなかなか行けないポイントを巡りたいと企画に取り組んでいます。

 第24回定例会(2011年1月予定)は、講演会になります。「山岳寺院について(仮題)」を予定していますが、講師の橿原考古学研究所:大西貴夫先生と打合せを始めています。第22回定例会にて、正式タイトルや概要をご紹介出来る見込みです。

 そして、今号で発表できることになりました第25回定例会(2011年3月)をご紹介します。例年3月はウォーキングを企画してきましたが、第25回は講演会になります。

 5月に行いました両槻会アンケートでもご要望が多かった「考古学以外の講演」という企画を実現できることになりました♪テーマは「飛鳥と万葉(仮題)」。講師は、奈良県立万葉文化館・万葉古代学研究所主任研究員:井上さやか先生です。また、第25回定例会は、日曜日開催(3月20日)になります。土曜ばかりで参加出来ないとのお声にも、漸く答えられることになりました。日曜日ですが、三連休の中日になりますので、土曜日が良い方にも大丈夫な日程になるのではないかと思っています。

 スタッフもバテない程度にしなくてはなりませんが、より良い定例会を作って行きたいと思っています。皆さんのご参加をお待ちしています。



【6】 「第22回定例会のご報告と牽牛子塚古墳現地見学会」
                                 (10.9.17.発行 Vol.89に掲載)

 残暑が厳しいですね。9月も中頃になりましたが、日中はまだまだ暑い日が続いています。流石に朝夕は秋めいてきましたので、長い夏もそろそろ終わるのかなと期待しています。

 さて、11日に第22回定例会を無事に終える事が出来ました。真夏を思わせるような暑さの中、たくさんの方が午前中の散策から参加してくださいました。ありがとうございました。当日の様子などは、第22回定例会レポートとして報告いたしますので、時遊録としては割愛しますが、木陰も少ないウォーキングルートや説明ポイントでしたが、風人の未熟なガイドが申し訳なく思うほど、皆さん熱心に聞いてくださいました。この場を借りましてお礼を申し上げます。

 講演は、橿考研の岡田先生が瓦の見方の基礎を丁寧にお話くださいました。160枚にも及ぶ画像資料を見せてくださいましたので、初心者である私達にも分かりやすい講演だったように思います。とかくマニアックだと敬遠される古代瓦ですが、その面白さの一端をお伝え出来る機会になったのではないかと思います。どうぞ、この続きを博物館の展示やお寺の屋根を見上げることで興味を持ち続け、岡田先生の講演が瓦の面白さを知る最初の第一歩となることを願っております。

 講演会と日程が重なってしまいましたが、この間に飛鳥では大きなイベントがありました。牽牛子塚古墳の発掘調査現地見学会です。マスコミでも大きく取り上げられ、斉明天皇のお墓が見つかった!八角形の古墳だった!と報じられました。飛鳥の終末期の古墳を考えるのに、とても重要な調査結果になったように思います。
 2日間行われた現地見学会には、7500人もの方が訪れたようで、狭い墳丘上ですので、炎天下、見学者の長蛇の列が続いていました。風人は、12日2時40分頃に行ったのですが、およそ20分の待ち時間でした。

 牽牛子塚古墳の発掘成果がどのようなものであったのか、そこから分かるのはどのような事柄なのか、今号はタイムリーな特別寄稿をお読みいただけます♪ あい坊先生の記事を是非隅々までお読みください。



【7】 飛鳥の彼岸花  (10.10.1.発行 Vol.90に掲載)

 もう90号なんですね。大きな数字になってきました。発行している側としましては、毎号原稿に追われていますので積み重ねがあまり実感出来ないでいます。100号記念には、何か特別な企画も考えてみたいと思いますが・・・、思うだけに終わるかもしれません。(笑)

 さて、飛鳥では遅れていた彼岸花も漸く盛りを迎えました。長く続いた猛暑のためか、彼岸花は例年より1週間から10日遅れたように思います。たくさんの方が準備に奔走された彼岸花祭の期間を外してしまい残念でしたが、それでも咲き始めるとやはり綺麗です。26日に飛鳥の彼岸花を巡ってきたのですが、たくさんの方が見物や写真撮影に来られていました。稲渕の棚田では、観光バスで来られる方もおられ、一年で一番の賑わいを見せています。

彼岸花

 棚田まで来られたら、是非「飛び石」も忘れずに訪ねてください。水辺の彼岸花もとても綺麗ですよ。飛び石を絡めた写真は、とても飛鳥らしい被写体になるように思います。


 ただし、狭い農道を通りますので、どうぞ農作業の邪魔になったり、畦を壊すことのないようにお願いします。

飛び石と彼岸花

 風人のお奨めは、檜前の彼岸花です。ご存知の稲渕の棚田も良いのですが、量からいうと檜前が圧倒的です。棚田に比べて開花が遅れ気味のようですので、この週末が見頃になるかも知れないですね。リンクでご覧いただける写真は、9月26日に撮ったものです。右手奥の森が於美阿志神社になるのですが、手前の谷になっている右側も彼岸花で真赤になります。26日には、まだ固い蕾が目立っていました。神社境内や周辺も結構咲きます。
 手前のテントは継続して行われている檜前遺跡の発掘調査のためのものです。谷の一番奥に調査区が設けられていました。

檜前の彼岸花

 風人はこのコースをよく歩くのですが、稲渕の棚田(案山子ロード)から朝風峠(旧道)を越えて、檜前に下ります。途中、農免道路を暫らく歩かねばならないのですが、檜前の豊かな秋の色彩を楽しみながら於美阿志神社の森に向かうコースがお気に入りです。途中の栗原には愛らしいお地蔵様がいらっしゃるので、立ち寄ってみてください。と言っても、小さなお地蔵様ですので場所を示すのが難しいのですが。(^^ゞ 檜隈野が広がりを見せる所からは、車道を離れて歩いてください。そうすると、件のお地蔵様にもきっと出会うことが出来るでしょう。

 90号が皆さんの手元に届く週末は、彼岸花はやや見頃を過ぎているかも知れません。けれど、豊かに稔った田や稲の香を感じながらの飛鳥散歩は、それだけで充分に楽しいものです。ぜひぜひ飛鳥歩きをお楽しみください。

 下手な写真ですが、風人が26日に撮りました写真を、「飛鳥 風の道」というブログに掲載しています。宜しければ、ご覧下さい。

 10月に入ると、飛鳥資料館や橿原考古学研究所附属博物館で、恒例の秋季特別展が開催されます。両特別展は、両槻会定例会でも担当されている先生に直接ご紹介をしていただきましたように、とても楽しみな展示会になりそうです。是非、飛鳥路巡りのお楽しみの一つにしていただければと思います♪ 



【8】 「奈良時代の匠たち― 大寺建立の考古学 ―」
                            (10.10.15.発行 Vol.91に掲載)

 飛鳥は、今、黄金色に染まっています。散策の帰り道、落陽に照らされた稲穂は一層色濃く黄金色に輝いていました。今週末くらいから、稲刈りが本格化するのでしょうね。
 空も高くなってきました。その青い空に刷毛で掃いたような筋雲が綺麗です。風が涼しくて、いつまでも歩いていたい気候になってきましたね。どうぞ、皆さんもお出かけください。

 さて、飛鳥遊訪マガジンでもご紹介をしてきました橿原考古学研究所附属博物館の秋季特別展「奈良時代の匠たち― 大寺建立の考古学 ―」が始まりましたので、風人は早速見学してきました。
 南都七大寺(元興寺、興福寺、西大寺、大安寺、唐招提寺、東大寺、薬師寺)が取り上げられ、その造営に関わった工人の技術や使った道具にスポットを当てた展示になっていました。
 特別展示は2室に分かれており、第一展示室では木材に関する展示が主体になっています。いつもは遥かに見上げる建築部材を目前にすると、その大きさが良く分かります。また、その部材に印された工人達の痕跡は、巨大建築物の中にあって何かしらほっとするものを感じることが出来ました。
 釿(ちょうな)やヤリガンナの削り跡や鑿の跡がはっきり分かります。展示室には、割り裂いた木材を、これらの道具を使って加工して行く工程が実物の木材を使って示されていました。分かりやすいですね♪どの道具でどのように加工されるかが見て取れます。
 また、建物の模型がたくさん展示されていて、このようにして加工された部材がどの位置に納まるのか、どのような意味を持った部材なのかが理解しやすくなっています。第一展示室だけで軽く1時間は楽しめます。

 第二展示室は、瓦や金属製品の他に絵やガラス製品などが展示されています。最も目を引くのは、唐招提寺金堂天井支輪板や天井に描かれた極彩色の絵。もちろん今は、色が褪せてしまっていますが、所々に彩色が残り、それを元に復元された絵も展示されています。もちろん他の展示品も興味を惹きました。大安寺の西塔を飾った相輪風鐸や水煙片、また東大寺に伝わる鉄の錠前や鉄鍵も観覧者の注目を集めるに充分な物でした。まだまだ他にも注目すべき展示物がたくさんあるのですが、字数が増えるばかりなので展示紹介はここまでとします。風人は、ゆっくりと見てきましたので、おおよそ2時間弱かかりました。

 忘れてはいけません!今回の特別展の図録は良いです。展示品や寺院の解説は言うまでもなく、資料編が付いていて用語解説やたくさんのイラストが収録されており、各部材の名称やどの部分なのかが一目で分かります。丁寧な図録ですので見学された折には買い求められるのをお奨めします。
 また、特別展に関連して、研究講座やギャラリートーク、またウォーキングも予定されていますので、見学と合わせて聴講を予定されるのも良いのではないでしょうか。
 今特別展「奈良時代の匠たち」の担当をされているのは、両槻会がお話になっています山田隆文先生です。

 さて、本編ですが、近江先生の「大道を考える」の4回目です。いよいよ佳境に入ってきました。先生が指摘される竹之内峠越えルートの疑問点がはっきり見えてきました。飛鳥話は、ももの桃話。(笑)咲読は、漸く歩き始めました。(^^ゞ ごゆっくりお楽しみください。



【9】 「木簡黎明 -飛鳥に集ういにしえの文字たち-」
                             (10.10.29.発行 Vol.92に掲載)

 爽やかな季節になってきましたね。高山からは、すでに紅葉の話題なども届きます。先日、奈良県では大台ケ原の紅葉の様子が報じられていました。紅葉前線は、これから1ヶ月かけて平地に降りてくるのでしょう。今年は色鮮やかだとも聞きますので、楽しみですね。
 良い季節になりましたので、歩かねばならないと思いながらも、秋は魅力ある展覧会や講演会が目白押しです。風人はなかなか歩くことが出来ないでいます。皆さんは、如何ですか。

 さて、両槻会では、第23回定例会ヘの参加者を募集中ですが、先日、雨天用の予定を作りました。
 両槻会定例会(ウォーキング予定)には、雨天中止はありません。雨天用の予定に移行して定例会を実施することにしています。日程的にも順延は不可能であることや、遠方の参加者が前日から来県される事などの理由によります。ウォーキングイベントとして参加を呼びかけていますので、雨なら不参加だ、あるいは中止にして当然だと思う方が居られると思います。けれど、両槻会はイベントだけを提供する会ではありません。飛鳥の面白さや素晴らしさを参加者と共に楽しく学んで行く、そこが会の主目的なのです。雨天予定を作り、飛鳥に接する機会を減らすことなく、参加の皆さんと一日を楽しく過したい。そのように思うから雨天用予定を企画しています。

 第23回定例会では、飛鳥資料館・橿原考古学研究所附属博物館で実施されています特別展の展示解説をしていただけることになりました。雨天を望んでいるわけでは決してありませんが、雨になりましても充分に楽しい一日を過していただけるものと確信しております。第23回定例会は、定員まで、まだ若干の余裕があります。皆さんのお申込をお待ちしております。初参加の方も大歓迎ですので、最初の勇気を奮ってお申込ください。

 風人は、先日、雨天用の予定にしました飛鳥資料館秋期特別展「木簡黎明 -飛鳥に集ういにしえの文字たち-」を見学してきました。飛鳥時の木簡がこれほど一堂に会することは今まで無かったようです。木簡は保存の問題がありますので、長期間にわたる展示は難しいといわれます。今回の特別展でも会期を3つに分け、2週間毎の展示入れ替えが行われると言うことでした。
 木簡は、同時代資料ですので、古代を知る上では1級の資料と言えます。しかし、素人には難しい資料であることも事実です。漢字ばかりで、なかなか読み解くことは出来ません。いつの時代の何に付いて書かれた物なのか、そこから何が分かるのか、その辺りに面白さが隠されているように思うのですが、どうもハードルが高いようにも感じていました。
 今回の展示では、そこを出来る限り分かりやすくする展示がされています。木簡は種類ごとに分けられ、人名が書かれた木簡などは系図にはめ込むような形で展示がされていました。また、時代の順に木簡が置かれ、年表と主要な出土遺物と共に展示されたコーナーもありました。木簡が書かれた時代を、思い描きやすくされているようです。
 全体での印象は、丁寧な展示だと感じました。派手さはありませんが、じっくり見学することが出来る展覧会です。

 さて、本編のご紹介をしましょう。
 ご寄稿は、あい坊先生です。「推古朝のふたつの王宮(1)-推古天皇の時代-」という新しいシリーズが始まります。飛鳥時代の幕開けとなる推古天皇の時代を、皆さんと一緒に楽しみたいと思っています。飛鳥話は、TOMの「大化改新」についての2回目です。そして、飛鳥咲読、飛鳥情報、両槻会からのお知らせという構成になっています。相変わらず長いメルマガですが、最後までお読みいただければと思います。では、本編をお楽しみください。



【10】 「元興寺禅室屋根裏探検」   (10.11.12.発行 Vol.93に掲載)

 めっきり秋らしくなってきました。朝夕は寒いくらいの日も増えてきましたね。奈良は内陸部なので、一日の内での寒暖の差が大きいように思います。

 第23回定例会が、いよいよ明日になりました。お天気はどうでしょうか?原稿を書いています日の週間天気予報では、晴れのち曇りになっているのですが、前日にはどう変わっているか気がかりです。どうぞ晴れますようにと、皆さんも願いを込めてテルテル坊主など作っていただければ嬉しく思います。

 秋は、ウォーキングも良し、特別展や講演会に参加するのも良し、皆さんも忙しいスケジュールをこなしておられるのではないでしょうか。風人は、前号発行から三つのイベントに参加しました。帝塚山大学市民大学講座、大和三山ウォーク畝傍山編、そして元興寺禅室屋根裏探検です。三つとも、とても楽しく過ごすことができたのですが、今号では、屋根裏探検のお話をしたいと思います。

 皆さんもご存知だと思いますが、元興寺は飛鳥寺を起源として、平城京遷都に際して移転し、寺名を元興寺としました。錯覚しやすいのですけど、移転したからといって飛鳥寺が無くなったわけではありません。飛鳥の地に12世紀始め頃まで、飛鳥寺は存続していました。しかし、これからお話しする建築部材や瓦は、確かに飛鳥寺に使用された物であったようです。ややこしいのです。(^^ゞ 

 元興寺は移築に際し大半の堂宇が新築されているようなのですが、一部の部材などは飛鳥寺の物を再利用していました。今も残る元興寺極楽坊の屋根瓦や禅室の屋根裏の建築部材などがそれに当たります。近年の年輪年代法と呼ばれる測定技術は、そのような歴史を私達に教えてくれます。

頭貫(飛鳥時代・590年頃)

 では、飛鳥寺から移された部材や瓦は、どの建物に使われていた物なのでしょう。元興寺禅室は、元は僧房であったようです。お寺の移転にはお坊さんも共に移動します。飛鳥寺で一番必要の無くなる施設は、空き部屋となる僧房です。僧房は、いち早く移転したのかも知れませんね。

 ヘルメットを着用し、手に懐中電灯を持って探検気分満々に上がった屋
根裏は、不思議な空間でした。現在の禅室は、元僧房だと書きましたが、4つの部屋に分かれていました。一部屋に四人から十人の僧侶が暮らし、修行をしたそうです。屋根裏には、飛鳥時代、白鳳時代、奈良時代、鎌倉時代、そして昭和の部材が渾然と組み合わされていました。まさに、現在に命脈を繋ぐ元興寺の歴史を垣間見ることが出来た思いがしました。また、修理の際に交換された部材も屋根裏に保管されており、我国仏教の歴史がそこに詰め込まれているような気がして、薄暗い屋根裏部屋で暫らく感慨に耽りました。橿考研博物館で開催されている特別展で見学した部材が、現実に使われている様を目の前に出来た感激で一杯でした。

肘木(奈良時代)

 今号は、咲読が2つあります。それでも、全ての見学ポイントをお話できませんでしたが、第23回定例会は、このような見所を巡っているのだと思っていただければ幸いです。






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